香港最大のトレイルイベント 「トレイルウォーカー香港」が昨晩終わり
現在、香港です。
何とか3位に入賞ができました。
この大会はかなりユニークなもので100kmトレイルを4名が一チームで競い、この4名が一緒にゴールしなければ完走と認められません。
このためかなりドラマチックな行程となります。
昨年に引き続き、THE NORTH FACE アジアチームで出場しましたが
今回は故障と多忙でトレーニングが満足にできずに
正直かなり不安な気持ちで一杯でした。
事前に何度か、チームをオーガナイズしているライアンに
「今回はかなり厳しい状態なのでチームを引張ってしまいかもしれない」と
伝えましたが、「とにかく楽しんで走ろうじゃないか」ということで出場を決意しました。
しかし香港という街は不思議で、摩天楼からほどないところに自然に溢れた
森が広がっています。
事前に入念な作戦会議が行われます。
補給計画やレース全体のシュミレーションを4名で共有するために
これがとても大事なものとなります。
当日、不安な気持ちでスタート。
この日は香港にしては涼しいコンディションでしたが
これがくせもので実は湿度が異常に高いため、知らず知らずのうちに
脱水状態に・・・。とにかく給水が大切。
ここ2ヶ月くらいまともなトレーニングができていなかったのでスタミナが
心配。
スタートから50kmを過ぎ、明らかに最も余裕がないのが自分と思いきや
一番軽快だったジェイ(タイ)が突然、疲労困憊の状態に
何度か嘔吐。目線がうつろ。脱水状態、ミネラル不足など様々な原因がうかび
対処。一旦は持ち直したかと思いきや今度は全身が痙攣状態に。
嘔吐するから嫌だという彼に、持っていた痙攣防止の特効薬を無理やり飲ませる。
とはいえレース中。彼に「やめよう」、「休もう」といえないのが辛い・・。
顔が土色になったジェイをロープで引きながら進みます。
彼が果たしてこの残りの数十キロの行程を持ちこたえられるかどうか心配でなりません。
これと時を同じくして
これまたかなり余裕があったはずのストン(中国)が
下りの途中で突然「あー。膝が膝が・・」と
私の経験からしてこれはまさしく脹頸靭帯炎。これがおこると
下りで冷や汗が出るほどに激痛が走ります。
すぐに痛み止めと薬で胃があれないように胃腸薬も飲ませる。
そしてCPごとにマッサージ。激痛が出るので
痛みをごまかすフォームがいかにも辛そう。
しかしジェイが最も危険な状態で最後まで心配。
「大丈夫か」、「給水しているか」、「あと少しだから」と
声を掛け合いながら一緒に進む。
みんな声には出さないが、この場にきたからには
3位以内の表彰台にあがらなければならないと思っているので
「ペースを落とそう」、「休もう」と言えないのが辛い。
具合の悪い一人をおいて行けば、レースは終わり。
このレースの難しさ。今回も身にしみました。
私も事前にロングトレーニングでできなかったため
かなり疲労しましたが、香港の景色の良いコースをかなり
楽しみむことができました。
貴重な経験でした。