今年も残すところ一日、原稿やらなんやらたまり
最近はパソコンとにらめっこの時間が長い・・・。
そんなこともしつつ今年はどんな一年だったのだろうとふと思い返す瞬間がある。
振りかえってみると今年も故障との闘いだった気がする年明けから新たな故障をし、治ったのは5月末。故障中の脚部を積極的に使わないトレーニングが功を奏し、故障明け1週間後の「つるぎトレイルレース」、2週間後の「奥久慈50k」で最速(※いずれも招待選手なので着外)。また「おんたけウルトラ」で100マイル14時間44分で優勝できたのは、今後の糧になるリハビリトレーニングのデータを残すことができた。
しかしながら国内レベルでは対応できるものの、急造ではUTMBのレベルでは難しかったというのが正直なところ、せめて100mileで、精神的な勝負に引き込めればと思ったが・・・。
実はUTMBではコース短縮による序盤のハイペースで普段以上に脚に負荷がかかり、その後再度の故障をお越してしまった。結局今年一年まともに走れたのは僅か3箇月だった。
しかし、この3箇月は本当に楽しかった。UTMBが刻一刻とカウントダウンされる日々のなかで、3年ぶりに痛みなく走れる喜びに浸ることができた。ある意味夢のような3箇月だった。
しかし、まだまだ諦めてはいない。応援してくれる方がいる限りは頑張りたいし、
結局そんなふうに自分と向き合っている時間が最も生きがいを感じられる。自分は結局はそういう人間なのかもしれない。
「楽しむ勇気」とは、レースの時だけのものでない。悲惨な状況でも常に前向きに考えて行こうという自分への戒めでもある。

とはいえ今年は長年の積み重ねが身を結ぶような嬉しいことがたくさんあった。
5月にUTMFの開催。東日本大震災で延期になったが、メンバー全員がそれを乗り越え、まさに一丸となってここまできたという感じだ。UTMFスタッフの一斉メールでは常に様々なことが語られる。気が重くなること、腹を抱えて笑えること、本当に様々だが、メンバー全員のこだわりがこの大会をかたちづくっているといえる。そこには単なるビッグイベント、トレイルランイベントでなく、多くの方々の人生そのものが投影できるような素敵な舞台になるような流れを真剣に日夜検討し、考え続けているという流れがしっかりと出来始めている。

そして秋に神流マウンテンラン&ウォークが総務大臣表彰を頂くことになった。
これも本当に嬉しかった。もちろんこのような表彰を目指してこの大会を実施してきた訳ではないが、トレイルランというともすると誤解が多い新しいスポーツがある意味大やけな場で社会的な役割を評価されたということは本当に大きな意味のある出来事だった。これまで携わってきた方々の熱意が身を結んだ。しかし、神流の過疎は現実な問題としてこれからも続く、今後はより踏み込んでこの問題にこのスポーツを通して関われたらと思う。

先月には「ランナーズ賞」も頂くことになった。ロードランに比べれば圧倒的にマイナーなトレイルというカテゴリーでの受賞。これも先人の方々が道をつけてきたおかげだと思う。
結局、自分一人でできたことは何もない訳で、自分自身がこの素晴らしい輪のなかで代表して評価されているというのが現実的で、ある意味心苦しい気持ちになることがある。私としてはこのような取り組みを通して、自分の人生の質を高めてくれた、たくさんの素晴らしい出会いがあったことが何より嬉しい。

年齢的な衰えこれは仕方ない。
しかし、現実を直視し、とことん頑張ってみたい。
しかし、誤解しないで欲しい、悲壮感はない。
傍から見ればどんなに悲惨な状況ととられても、トレイルランは私にとって「遊び」なのだと思う。楽しくって仕方がないもの。子供のころ放課後に気のしれた友だちと遊ぶのが待ち遠しくてワクワクしていたような心をいつまでも忘れない限りはどんなことでもできるような気がする。
来年はどんな年になるだろう。
皆さん良いお年を。

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